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戦国時代の意義とは何か、独自の観点から考察します


by 5_kokintou

仁義なき戦い ~サウジアラビア対イラン~

このところ、サウジアラビアとベネズエラから目が離せません。

ベネズエラから触れますと、米国の地方銀行が同国国営電力企業に対し債務不履行(デフォルト)を宣言(記事1)、前後して米国政府も経済制裁の対象を拡大(記事2)、事態は風雲急を告げつつあります。

以前にも申しましたが、トランプ大統領の帰国後、大問題として浮上するのは必至と思われます。


汚職を口実としたサウジアラビア皇太子による、政敵(反スデイリ派)一掃工作は益々熾烈を極め、拘束者は200名を超えています。(記事3)

サウジとイランの角逐の場であるイエメンでは、サウジが後押しする武装勢力が自国の国防省を空爆、この一件で、イエメン国防省はイランの支配下にあること、サウジ側も権力中枢を「空爆」する軍事力を有している事実が浮き彫りになりました。(記事4)

サウジの攻勢はレバノンにも及び、同国首相が外遊先のサウジアラビアで、国内では身の安全が保障されないとの声明を発表、そのままサウジに「亡命」しました。(記事5)

件のハリリ首相はイスラム教スンニ派に属していますが、レバノンを実効支配しているのはシーア派過激集団ヒズボラ、ここにもスンニ派対シーア派の対決の構図が影を落としています。

ですからヒズボラはいきり立ってサウジを挑発しますが(記事6)、もとよりサウジ側も重々承知、受けて立つ構えです。

勘繰れば、ガザ地区を支配するハマスを強引に封じ込めたのも、来るべきヒズボラとイスラエルの対決に備えた工作だったのかも知れません、イスラエルの足を引っ張ったら承知しない、エジプトとイスラエルの両方からハマスを磨り潰すぞと。

話を戻して、そのサウジアラビアをマクロン仏大統領が急遽訪問(記事7)、レバノンとシリアは今でも自分の縄張りと思い込んでいるフランスの度し難さには呆れるしかありませんが、現下の中東情勢を危惧しての義挙ではなく、単なる人気取りであることは、この大統領の人気の無さからも明白です。(記事8)

足元を見透かしているサウジは体よくあしらうでしょうが、フランス外交が完全に出遅れていることは、今回の外遊中に立ち話しかしなかった米露首脳(トランプ、プーチン両大統領)が、その直後に共同声明を公表したことからも明らか(記事9)、国際舞台から退場しつつある「イスラム国」について言及しているのは、局面が次の段階へと移行しつつある現実を物語っています。

(続く)

<引用記事>

記事1)ベネズエラ国営電力が債務不履行 米地銀が発表
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23379850R11C17A1000000/

記事2)米が経済制裁ベネズエラ閣僚ら10人に拡大
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO2333494010112017EAF000/

記事3)サウジ粛清、201人を拘束 汚職の損失、推定11兆円
http://www.afpbb.com/articles/-/3149979?cx_position=9

記事4)サウジ主導軍、イエメン国防省を空爆 少なくとも民間人3人負傷
http://www.afpbb.com/articles/-/3150144?cx_position=3

記事5)サウジ・イラン対立が波及=レバノンやイエメン混乱深刻化
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017111000770&g=int

記事6)レバノンのヒズボラ「サウジが宣戦布告」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23380230R11C17A1NNE000/

記事7)マクロン仏大統領がサウジアラビアを急きょ訪問 レバノン危機を懸念
http://www.bbc.com/japanese/41938113

記事8)支持陰り、求心力回復に腐心=反発受け庶民重視へ-仏大統領就任半年
http://www.afpbb.com/articles/-/3150188?cx_position=7

記事9)シリア情勢で米ロ共同声明
http://www.recordchina.co.jp/newsheadline.php?id=215562

by 5_kokintou | 2017-11-12 22:17 | Comments(0)
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