現代社会が抱える問題点に鋭い考察を加える。


by 5_kokintou

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承前 ~明暗分かれる米仏~

政治の世界で所謂「出来レース」が多いこと、これも洋の東西を問いません。

例えば、トランプ大統領とその「元」側近バノン氏の確執、あれこそ典型例ではないかと疑っています。

暴露本と銘打っていますが、大統領にとって致命傷になる様な記述は皆無、出版停止をちらつかせると、手際良く発売日を繰り上げる、仮処分が下ったら大変ですから、大急ぎで買い求めた結果、売り切れ続出となりました。

得をしたのは著書が売れたバノン氏、売上部数は半端な数字ではないでしょうから、権力中枢から遠ざかって貰うことへの慰労金であり、今後の活動資金の意味合いもあります。


マクロン仏大統領が国賓として訪中(記事1)、何か思惑でもあるのかと思えば、要はエアバスの売り込み、仏大統領の「朝貢」に至極ご満悦の習近平国家主席は、大量発注で応えてやりました。(記事2)

マクロン大統領としても、無為無策の評価を少しでも覆す必要があり、敢えて朝貢に赴いた次第です。


南米ベネズエラのインフレ率が2,600%に達したとの由(記事3)、併せてゴールドマン・サックス(GS)系格付機関S&Pが同国国債をデフォルトに相当すると発表(記事4)、愈々断末魔に陥りつつあります。

多額の同国向け債権を抱えているのが、実は中国、その中国も外貨が払底しつつありますので、影響は軽微を言えません。


それに引き換え、トランプの米国は、公約実現のために我が道を驀進しています。

まずは、国境の壁建設に要する費用を算出(記事5)、その負担をメキシコに求めるのが公約ですから、早くもメキシコ側は反発しています。

次いで規制緩和の一環として、石油採掘禁止海域を事実上撤廃(記事6)、パリ協定を離脱して石炭の算出規制も取り払い、また先にシェールオイル、シェールガスの規制も緩めています。

他方、抵抗勢力を一掃したFBIを指揮し、クリントン財団への捜査を再開(記事7)、但し、真の標的はヒラリー女史と言うより、夫のクリントン元大統領だと思われます。

そして極めつけがこれ(記事8)、オバマ前政権はマリファナを事実上解禁していたのですから酷いものです。

マリファナの流通経路を握っているのが暴力団なのは言わずもがなの話、前大統領の支持母体の正体が分かろうかと言うものです。

(続く)

記事1)マクロン仏大統領が初訪中
https://www.jiji.com/jc/p?id=20180108205200-0025863306

記事2)中国、エアバスA320型機を184機購入へ
http://www.afpbb.com/articles/-/3158008?cx_position=8

記事3)ベネズエラのインフレ、2600%
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018010900305&g=int

記事4)ベネズエラ国債をデフォルト認定、S&P 債務支払い遅延が常態化
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25492880Q8A110C1000000/

記事5)国境の壁、10年間で2兆円=第1工期の試算提示-米紙
http://www.afpbb.com/articles/-/3157630?cx_position=17

記事6)オフショアのほぼ全域で石油採掘可能に、トランプ米政権が草案
http://www.newsweekjapan.jp/headlines/world/2018/01/205911.php

記事7)FBI、クリントン財団の捜査再開 トランプ氏が疑惑指摘
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25411800W8A100C1000000/

記事8)米司法長官、前政権のマリフアナ規制緩和方針を撤回
http://www.afpbb.com/articles/-/3157486?cx_part=latest&cx_position=2

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# by 5_kokintou | 2018-01-11 18:27 | Comments(0)

攻める米国、焦るフランス

昨年末に突如として同時発生した、イラン国内での反政府抗議行動、政権側が強硬手段を用いて鎮圧を図っていますが、米国は反政府運動を支持(記事1)、一筋縄ではいかぬ状況となりつつあります。

その米国に対し苦言を呈したのがマクロン仏大統領(記事2)、見解を表明するのはご随意ですが、自分達に近い「非人道的監視国家」の実態には目を瞑るのですから、ご都合主義も此処に極まれりと言わざるを得ません。

国際舞台で存在感を誇示したい気持ちも分かりますが、権力基盤が脆弱である現実を直視しなければ、足元をすくわれかねません。(記事3)

欧州では今、各地で民族自立並びに民族自決運動が高まっていますが、EUを国家よりも上位に置きながら、既存の国家の自主権は尊重しています。

それなら、分離独立して新国家を建設してなぜ悪いと言う思いが、各地の民族自決運動の根底にあります。


それよりも興味深かったのは、「アンカラ(トルコ)・テヘラン(イラン)」枢軸が浮き彫りになった(記事4)、制裁逃れに一役買っていたのですから、言い逃れは出来ません。

イスラム教シーア派盟主国イランと、スンニ派原理主義政権のトルコが、手を結んでいるのは、独仏の後援の下、サウジアラビアに対抗したいから、サウジもスンニ派系原理主義国家ですが、ワッハーブ派を信奉するサウジアラビアと、そうでないトルコでは、互いの存在が異端です。

因みに、イラン情勢を巡り、米露が国連安保理事会で意見を異にしている旨の報道がなされていますが(記事5)、これは過去の経緯からイランと近い立場にあるロシアが、その外交的優位を主張したもの、イランが泣きついてくるのをプーチン露大統領は待ち構えているのです。

むしろ深刻なのがトルコと独仏の関係(記事6)、表向きの議題はトルコのEU加盟問題ですが、経済危機に瀕するトルコにとってデフォルト回避が喫緊の課題、資金援助を求めているのですが折り合いがつかず、それならトルコ国内に留めている難民を欧州に向けて解き放つぞと威嚇しているのです。


トランプ大統領の内政の実績については稿を改めます。

(続く)

記事1)トランプ氏、イラン反政府デモ支持 「変革の時だ!」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2528249001012018000000/

記事2)「トランプはイランに戦争を吹っかけている」── イラン反政府デモを煽るトランプをマクロンが非難
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/01/post-9252.php

記事3)仏コルシカ島に独立機運=ナポレオンの出生地
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018010400156&g=int

記事4)トルコ人バンカーに有罪評決、イランの制裁逃れをほう助-米連邦地裁
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-01-04/P20DDB6JIJUP01

記事5)イランデモで米ロ対立=緊急会合開催も分裂露呈-安保理
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018010600298&g=int

記事6)仏・トルコ大統領、EU加盟を悲観 エルドアン氏は「決断」を示唆
http://www.afpbb.com/articles/-/3157576

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# by 5_kokintou | 2018-01-09 00:01 | Comments(0)

拝啓 赤川省吾記者殿

昨年(2017年)12月27日付貴名署名記事(オーストリアが始めた「危ない火遊び」)拝読、大仰な表現が少々気になりましたが、陰に隠れているものの決して消滅してない問題を浮き彫りにした点は、大いに評価させて頂きます。

御存じの通り、EUの大前提は「領土問題を蒸し返さないこと」、裏を返せば、欧州には無数の領土問題が潜在的に存在します。

スペインなんて民族自決を認めた瞬間に国家が解体しますし、ベルギーも南北(フランス系とゲルマン系)に分裂します。

英国はジブラルタルの領有を巡ってスペインと見解が分かれていますし、EUを支えるドイツも「オーデル・ナイセ問題」に蓋をしています。

ご指摘のチロル問題にしても、墺伊間の領土問題であり、領土の帰属変更が可能となれば、EUは空中分解してしまう、ですから領土問題は「なかったこと」にしているのです。


ですが、失地回復こそが政治家の最大の功績であることは、プーチン露大統領が強行したクリミア併合からも明らか、ですからその誘惑をドイツの実力とフランスの権威で抑えつけてきたのですが、ここにきて特にドイツの影響力低下が、欧州情勢に影を差しつつあります。(記事2)

移民難民を積極的に受け入れた結果、本来の中所得者以下の階層が没落、賃下げや失業に苦しむ国民が多数存在する一方、「ポリティカル・コレクトネス」(政治的偏見矯正運動)を楯に私利私欲の追及に余念がない階層との格差が顕在化しつつあります。

移民難民の大量流入は同時に社会不安を醸成し、イスラム系入国者集団に対する不安の声は、独仏墺伊で軒並み60%を超え、チェコに至っては80%を突破しています。

こんな状況をもたらしたメルケル独首相への退陣圧力は強まるばかり、現地時間1月7日から、社会民主党との連立交渉が始まりますが、譲歩すれば支持者に見捨てられるとの危機感から、いずれも譲る訳に行かず、首相退陣論が浮上しつつあります。

おそらくドイツは、政治的機能不全に陥ります。

それはすなわち、加盟各国に対する抑止力が効かなくなることを意味します。

(続く)

記事1)オーストリアが始めた「危ない火遊び」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2508381026122017I10000/

記事2)メルケル氏 瀬戸際
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO25406710V00C18A1EA4000/



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# by 5_kokintou | 2018-01-07 08:03 | Comments(0)

トランプ大統領の躍動感

明けましておめでとうございます。新年も宜しく。


と言った所で、イスラム教徒はイスラム暦を使いますから、太陽暦の元旦なんぞお構いなし、イランでは民衆による抗議行動が全土に波及、死傷者も増加しています。(記事1)

攻める側の最終目標は、現政権打倒と世俗派新政権の樹立ですから、遠からず、受け皿となる人物が浮上してくるものと思われます。


今後は米国との建設的な対話の必要性を説いたプーチン露大統領ですが(記事2)、或る程度、手打ちが成立しているのは明らかです。

イスラム国がほぼ一掃されたシリアに、恒久的な軍事施設を建設する程に、同国現政権の安定に貢献し、中東地域での存在感を増しているロシアの立場そのものが、イスラエルやサウジアラビアと言った当該地域主要国だけでなく、果ては日米の了解を得ていることは明白です。(記事3)

日本が提唱した四者会談(日米及びイスラエル、パレスチナ自治政府)にしても、これがサウジアラビアやロシアの了承無くしては不可能ですし(記事4)、嘆きの壁に関する米国高官の発言も、本来なら物議を醸す代物です。(記事5)

要は、事が成就した後の、分け前の分捕り合戦に露大統領は言及しているのです。

日本の陸上イージスに難癖を付けているのも、その一環と言えます。(記事6)


オバマケアを葬り去ったと公言するトランプ大統領(記事7)、確かに大統領の裁量権が広がっているのは間違いありません。

一例を挙げると、イエレンFRB議長が2月に退任することで、定員7名のFRB理事の内、四席が空くことになります。(記事8)

換言すれば、それだけ「大統領好み」の人材を登用する余地が大きく、金融政策に対する影響力も増すと考えられます。

野党民主党の巣窟と化した感のあるFBIにも切り込みつつあり(記事9)、また予算案は軍が睨みを聞かせている限り、議会で揉めて政府機関の閉鎖に陥ることは有り得ません。(記事10)


滑り出し上々と言えるでしょうか。

(続く)

記事1)反政府デモで新たに10人死亡=大統領、自制促す-イラン
https://www.jiji.com/jc/article?k=2018010100077&g=int

記事2)米ロ、建設的な対話必要=日ロは「満足」-プーチン氏
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017123000369&g=use

記事3)ロシア、シリアで海空軍の恒久基地確保へ=RIA
https://jp.reuters.com/article/russia-sy-base-idJPKBN1EL062

記事4)東京で4者会合提案か=中東和平で河野外相-イスラエル報道
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017122700848&g=pol

記事5)「嘆きの壁」はイスラエルに=米高官
https://www.jiji.com/jc/p?id=20171216151223-0025736143

記事6)ロシアは、日本のミサイル防衛システム配備を考慮した軍事計画を立てる ロシア外務省
https://jp.sputniknews.com/politics/201712304438723/

記事7)トランプ米大統領:共和党の税制法案、「事実上」のオバマケア廃止に
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-12-20/P19XAISYF01S01

記事8)イエレン議長、理事も退任 FRBパウエル体制へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23726890R21C17A1000000/

記事9)FBI副長官が辞任の意向=「民主党寄り」と追及-米紙
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017122400209&g=int

記事10)米下院、1カ月のつなぎ予算可決 政府閉鎖を回避へ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24951330S7A221C1000000/

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# by 5_kokintou | 2018-01-02 00:02 | Comments(0)

燃える中東

遂にイランの政情不安が表面化しました。

各地で反政府抗議行動が同時発生、それを弾圧する当局をトランプ米国大統領が非難すると言う、些か滑稽な状況にありますが、イランが国内すらも抑えきれなくなっている現状には留意する必要があると思われます。(記事1、記事2)

イラン現政権が「民主化を求める国民」によって打倒されれば、中東情勢は一気にサウジアラビア有利に傾くのは確実、イランでは世俗政権が誕生し、イラクのシーア派政権は崩壊、この国はシーア派とスンニ派、それにクルド民族の三つ巴の争いに突入します。

最後まで改心しなかったカタールも、現首長一族は追放され、傍流から新首長が選ばれると思われます。

イエメン内戦もこれで勝負あり、反サウジ勢力の全面敗北です。

最後に、トルコでも軍事クーデターが発生し、イスラム教スンニ派原理主義政権は崩壊すると考えられます。


イランの前後して尻に火が点いたのが、対イラン宥和政策を推進してきたオバマ前大統領、シリアの隣国レバノンのシーア派系武装組織ヒズボラの麻薬取引を黙認していたと言うのですから(記事3)、只事ではありません。

今後イランから、前大統領にとって不都合な秘密が次々と露見する筈です。

トランプ大統領はオバマ氏を政治的に抹殺し、併せて国内のリベラル勢力を壊滅させる魂胆なのです。

(続く)

記事1)イランの主要都市で反政府デモ拡大、マシャドでは50人以上逮捕
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-12-30/P1RKRJ6S972X01

記事2)イランのデモ弾圧「強く非難」=米
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017123000294&g=int

記事3)オバマはイラン合意のためにヒズボラ麻薬密売を見逃していた
http://lovetrumpjapan.oops.jp/2017/12/20/obama-hezbollah-and-iran-nuke-deal/

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# by 5_kokintou | 2017-12-30 20:53 | Comments(0)

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